よくいただく質問なのですが、赤字で決算をしたけども、建設業許可を取得することは
できるんでしょうか?というご相談を受けました。

かなり心配されているようでしたが、結論から言うと

問題なく建設業許可を取得できます。

赤字で決算をしていようが、赤字が続いていようが、さらにひどくて資本金を食いつぶして
債務超過になっていようが、建設業許可の要件には影響はないんです。

お金の関係で必要なのは500万円以上の資金を調達できるかどうか、ということ。

ですから、500万円以上の残高証明書を提示することができればいいんです。

これも証明日が申請する日の4週間以内(大阪の場合)であればいいので、1日だけでも
構わないので、500万円以上を申請者の口座に入れて残高証明書を取得すればいいんです。

申請者の口座であればいいので、お金の出所は問われません。

誰から借りようが、1日だけであろうが、500万円以上を調達できる、という証拠として
残高証明書を取得するだけなんです。

ということで決算状況はどうであれ、建設業許可を取得する要件には問題はないのですが、
これはあくまで一般の建設業許可において、です。

大半の業者さんは一般建設業許可を取得すれば問題ないと思うので、たいていは大丈夫
なのですが、

特定の建設業許可においては状況が変わってきます。

特定建設業許可の場合は、資本金が2000万円以上、
自己資本(貸借対照表の中の「純資産合計」という部分)が4000万円以上ないと
許可されません。

これは直近の決算書にかかわる部分ですから、残高証明書を出してクリアする、という
ことでは対応できないんです。

直近決算でダメなら、次回の決算でクリアできるようにするしかありません。

以前に対応したケースでは、どうしてもすぐに特定建設業許可が欲しいということだった
ので決算期を変更して、クリアしたこともあります。

しかも一般建設業許可の場合、5年後の許可更新の際は500万円以上の残高などは
一切不要になるのに対し、特定建設業許可の場合は、5年後の許可更新の際にも
直近決算書での財産要件をチェックされ、クリアできていない場合は、
特定ではなく一般の建設業許可で取り直し、ということになってしまいます。

自己資本、という数字の部分は過去の会社の利益の累積の部分ですから、資本金が
2000万円の場合、さらに2000万円以上の累積の黒字を出しておかないことには
合計4000万円以上にはならないですね。

ちなみに、資格者も基本的には一級の資格者を要求されます。

なぜそれほど特定建設業許可のハードルが高いのか、ですが、

特定建設業許可というのは、元請でなおかつ、4000万円以上を下請けさせる場合
に必要になる許可です。(建築工事の場合は6000万円以上を下請けさせる場合)

元請で、なおかつ、ということなので、下請け工事で請けて、それを孫請け業者に
3000万円以上振ったとしても一般建設業許可で構いません。

つまり、元請で工事を請けるということ、さらに多額の金額を下請けさせるということ、
ですから、倒産されると下請も連鎖倒産してしまう恐れがあります。

それだけ影響がでかい、ということで特定建設業者は財務状況がいいところでないと
ダメということになっています。

ちょっと話が特定建設業許可にまで流れていきましたが、一般と特定でかなり
違っている部分ですね。

建設業許可が取れない欠格要件についての詳しい解説はこちら

大阪の建設業許可の特徴について