大阪の建設業許可をお持ちの業者さんから緊急でということでご相談をいただきました。

内容としては、2年前に他の行政書士に建設業許可更新手続きをしてもらっていて、そのときは更新許可がおりたのが、最近取り消されてしまったとのこと。

その行政書士は取り消されてしまったからもうダメと言うだけで何も対応してくれない、とも。

お電話で聞いた限りでは、更新時点よりも前に取締役のうちのお一人が傷害事件で罰金刑になってしまい、それが欠格要件に該当してしまったということになり、建設業許可を取り消されたとか。

確かに建設業許可を取り消されるのは仕方がないですが、更新許可がおりて2年も経過してから取り消されているということと、業者さんとしても一番気になるのは建設業許可を新規で取り直すことができるのかということです。

業者さんにしたら、突然建設業許可がなくなるのですから、死活問題です。

通常であれば、欠格要件に該当して取り消しや不許可になったとしても、その原因となった取締役を外して他の要件が満たされるのであれば、再度申請すれば許可は無事に取ることができると思います。

ですから、その人を外すことさえできたら大丈夫かとご相談にお越しになるのを待っていました。

が、その取り消し処分の通知書を見ると・・・。

『第29条第1項第2号及び第5号に該当することにより一般建設業の許可を取り消し・・・』
と書かれています。

第2号は欠格要件などを書いてあるところなので、今回の方は傷害事件の罰金刑が当てはまるから、それは当然で分かっているのですが、問題なのは第5号のほう

第5号は不正の手段で許可を受けた場合・・・、と書かれています。

今回のケースでは、許可の更新申請をする際に、原因の取締役の方を『賞罰なし』として申請してしまっています。

多分、うっかりというか手続した行政書士もあまり確認しないままだったでしょう。
更新の手続きだったのであまりそこまで確認していないと思います。

結局それが嘘をついて許可を受けた、という判断になってしまい、今回建設業許可の取消になっています。

さらに、この第5号に該当してしまうと、許可取り消しから5年間許可を取れなくなってしまいます。
建設業許可を取れなくなってしまうのは、この会社はもちろん、他の取締役も全て・・。

罰金刑が出た時点で仮にすぐ廃業届を出して、その方を外したうえで建設業許可を取り直していればおそらく問題はなかったと思うのですが、知ってか知らずか分かりませんがそのまま放置した上に建設業許可を更新してしまったばかりに最悪な結果となってしまっています。

何とかできれば良かったのですがさすがに取締役が全てアウトになってしまった以上、経営業務管理責任者が誰も満たせなくなってしまい、新しく会社を作ったとしても現在の人員では建設業許可を取り直すこともできなくなってしまいました。

本当に気の毒だとは思いますが、建設業許可を取った以上、傷害事件など欠格要件に引っかかるようなことは気にしておいてほしかったですね。

あと一つ疑問に思ったのは、許可更新の申請時点で欠格要件のチェックをしてなかったのかということ。

我々の認識では許可などの申請時点でチェックされ欠格要件が見つかると不許可などの処分がすぐに下ると思っていましたが、今回のように2年も経ってこのようなことになるということは初めて知りました。

何件やったとしても初めてのケースが起こりますので、本当に侮れません

建設業許可が取れない欠格要件の解説はこちら

大阪の建設業許可の特徴について